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2022/9/26

完璧主義をあきらめるー自己変革のヒント~茶教勉強会~

完璧主義をあきらめる~自己変革のヒント

 

―目に見えない世界を信じるー

 

これは漫画家・水木しげるさんの著書『水木サンの幸福論』にある

「幸福の七カ条」の一つです。見えない世界とは、

例えば、ご縁といった偶然性の世界、人間の内面の世界、

自然など人智がおよばない世界などで、

私たちは普段あまり意識しないけれど、

こういった世界に随分と支えられているのです。

見えない世界を信じるということは、言い換えれば

見えていない世界を意識して想像して生きること。そうすれば、

自分の価値観とは違った価値観があることを受け入れることができるし、

人間の考えや力が及ばないことがあると受け入れることができます。

すると心に“余白”という寛容さが生まれ、

あらゆるものに心穏やかに優しく接することができるようになるでしょう。

幸せと平和はそこから生まれる、

水木さんはそう言いたかったのかもしれません。

 

日本文化もまた目に見えない世界を信じる文化だといえます。

見えないものを見る。聞こえないものを聞く。触れないものに触る。

茶道の真髄である「和敬清寂」の精神は、

見えない世界と向き合うことで培われるものだと言えるでしょう。

 

 

―対極の共存~二者択一ではなく両立から生まれる強さー

 

漫画家・水木しげるさんの有名な作品と言えば『ゲゲゲの鬼太郎』。

物語は往々にして分かりやすくするために、

善と悪といった二項対立の構造になりがちですが、

ゲゲゲの鬼太郎は妖怪か人間、どちらかに肩入れすることはしません。

鬼太郎自身も善と悪の両方を兼ね備えた存在として描かれています。

またゲゲゲの鬼太郎がテレビアニメとしてスタートした頃は、

高度経済成長期で日本全体が「やればできる」

「なせばなる」といった気風が蔓延していました。

そんな中、水木さんは野原に寝ころび、

カエルの合唱を聴く鬼太郎を描いたのです。

怠けるのが良くないというイデオロギーが支配的な中で、

あえてその対極に置くような物語を描いたのは、

一つの絶対的価値観で世界を覆うことに危うさを

感じていたからなのかもしれません。

 

東洋思想において大事な考え方の一つに「陰陽論」があります。

陰陽では物事は陰と陽といった二極によって成り立っていると考えます。

二極は分かれた形で存在しているのではなく、

双方が相補い合って成り立っているものなのです。

陰と陽に優劣はなく、どちらも必要なものなので、

二者択一的な思考で一方に偏らず

、両立させて適切なバランス=「中庸」をつくり出すことが大切になります。

対極にあるどちらか一方だけをとろうとすれば、

その原理から外れた人を否定し排除する方向にいくことでしょう。

対極を両立させるからこそ、

多種多様な人やものを抱え込むことができるのです。

違うからこそ相補う存在となり、

ともに力を発揮することができるのです。

組織や社会を強くしていくためには、

違いを排除するのではなく、違いを共存させることが大切なのです。

―自利利他~自愛の心が利他の心を育むー

 

「自分がしてほしくないことを他人にしてはならない」という道徳律があります。

これは自分を思いやるように他人も思いやるということでしょう。

しかしながら私たちの多くは完璧主義のクセから

自分への批判やあら探しをしてしまい、

自分を思いやることができなくなってしまうことがあります。

チベット仏教の法王であるダライ・ラマは次のように語っています。

「同情や思いやりは“自分との関係を他人との関係へと

広げていく心のありよう”とチベットでは昔から理解されています。

(中略)ですから自己嫌悪にさいなまれる人は、

他人への本当の同情心を抱くことが難しいのです」

 

また禅の考え方に「自利利他」というものがあります。

これについて精神科医である禅僧の川野泰周さんは

「“自利”とは自分に優しさを向け、自分を大切にする心。

それがあれば、他者の幸せを願う“利他”の心が自然に生まれる」

と言っています。

自利―自己への思いやりーというのは、自分を理解してやさしくなり、

つらい思いや感情をそのまま受け入れ、

苦難は人間である以上避けられないことだと認めることでもあります。

お茶の時間は自分の心を見つめて、

自己への思いやり持つ時間であるといえるでしょう。

自利の心が身につき、自分にやさしくなれると、

思うようにできなくて自分を責める気持ちが、

自分を助けてくれる周りの人たちへの感謝に変わっていくのです。

自愛の心が利他の心を育むのです。

 

茶教勉強会は、「知行合一」をモットーに、

知識を得るだけでなく実践につなげていき、

人格として身につけることを目的としています。

学びを深め、学んだことを実践することで美しさは培われます。

そうして得られた美しさは自身の幸せ、

ひいてはみんなの幸せにつながると確信しています。

そんな美しい人を目指してテーブルスタイル茶道では心のあり方を学びながら、

お互いを高め合う活動を行っています。ぜひ茶教勉強会にご参加ください。

皆さんと一緒に豊かな生き方を追求できたらと思っています。

月に一回、椿の会本部(名鉄鳴海駅 徒歩5分)にて開催しております。

ご新規様は1,000円にてご参加いただけます(zoomでのご参加も可能です)。

お申込みお待ちしております。

 

椿の会テーブルスタイル茶道 副代表 久野 麻理

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