テーブル茶道 名古屋

お問い合わせ電話番号090-1150-1110
メニュー

ニュース

2024/8/5

西郷隆盛の人生哲学~茶教勉強会~

西郷隆盛の人生哲学 ~人を惹きつける生き方~

 

―西郷隆盛の人気の秘密―

 

西郷隆盛という人は、人間関係を合理的に割り切らない人でした。

だから自分だけ目的地へ行ってしまうようなことは決してしませんでした。

少しずつ時代に後れていることを知っていながらも、

どうすることもできない業を背負った人間たちがいれば、

西郷は自分が新しい状況の中に突き進んでいかなければならないときも、

この人たちを一緒に連れて進んでいこうとしました。

そんなだからか、西郷は常に傷を伴う人生だったと思います。

傷の痛さを知っているからこそ、他人の傷の痛さが分かり、

その傷に対するいたわりの心を忘れない。

しかしただ傷の痛みを感じるだけでは、時代は進まないし、自分も向上しない。

この傷をバネにもっと前に進もう、と。

 

「小さく叩けば小さく響き、大きく叩けば大きく響く」

坂本龍馬が西郷隆盛を評した言葉です。

これは「相手の力量に応じた対応をする」といった感じでしょう。

これは地位によって態度を変えるというものではなく、

相手の求めるものに合わせた対応をするという意味で、

西郷はどんな相手に対しても分け隔てなく誠意ある態度で接したと言います。

自他をはっきり分けない曖昧さといった日本的な心性を突き詰めたのが

西郷であり、だからこそ時代を超えた人気があるのだと思います。

 

 

―敬天愛人―

 

私たちはつい問題が起こると、相手のせいにして咎めてしまいます。

苦手な仕事場の人、批判的な目で見てくるママ友など、

戦うべき相手は周りの人間で、そうした人たちの反応に一喜一憂する、

邪魔する人を非難する、、。

人を相手にするから私たちの心にはいつもさざ波が立っているのだと思います。

 

西郷は違っていました。どんなに自分では誠意を尽くして努力をしてみても、

天が自分に困難を与えることがある。しかしそれを恨んではならない。

自己啓発の努力が足りないのだとやってみても、

それでもまた天が困難を与えることがある。しかし恨まない。

その繰り返しが西郷の一生だったのです。

天とは何かと言えば、人間界を超えた何か大きな存在、

姿勢を正さざるを得ない畏るべき存在、

自分のやっていることを常にみている良心、そういった何かです。

 

私も娘が心の病気になったとき、娘に原因があると、娘のせいにしていました。

だけど天を意識するようになって、

自分を少しずつ俯瞰して見られるようになると

「もしかしたら、天が私に試練を与えて何か気づかせようとしているのかも」

と思えるようになりました。そして問題は実は娘にあるのではなく、

自分の心の在り方、捉え方にあったのだと気づけたのです。

相手を非難するのではなく、自分自身に問いかける謙虚な姿勢も

少しずつ持てるようになってきました。

 

「敬天愛人」

西郷が大事にした言葉です。

天を敬うということは、人間として正しいことを知ることであり、

自己中心的な考え方を捨てることとも言えます。

愛人は自分を思うように他人を思うこと、

そうありたいと願うことだと言えるでしょう。

京セラ創業者の稲盛和夫さんもこの「敬天愛人」を自身の人生、経営の指針と

してきたことが、人生も経営も良い方向に繋がったと言っています。

 

 

―和魂洋才―

 

今の日本人は物的な豊かさをまとった西洋文明に目がいき、

未開の国に対し植民地主義の野蛮を働いているところには目がいかない、

と西郷は西洋でやっていることを丸ごと取り入れようといった風潮を

苦々しく思っていたことでしょう。

日本の良さを失って無批判に西洋文明を取り入れるのではなく、

日本は何を大事にした国づくりをしていくのか、

そこを踏まえた上で、欧米の優れた科学知識や技術を活用すべきだという

「和魂洋才」が西郷の考えでした。

 

そして日本の国づくりの根幹に据えようと考えたのが和魂、

すなわち「和の精神」です。

和の精神とは、自分の力だけで何かをするのではなく、

もっと大きなものの一部になるというような生き方です。

それは決して個性を消すということではなく、

私の目標、私の人生というところから、

少し離れて物事を見るということだと思います。

自分であることを望んで大きなものからはぐれることも、

大きなものに取り込まれて自分を滅するようなこともあってはならない。

何かを為すときには、両方が矛盾しないで成り立つような道を探す── 

それを実践した先人が西郷だったのです。

 

明治以降かろうじて守られていた和の精神が崩れつつある昨今、

コミュニティや会社など、社会とのつながりを実感し、

「承認」の感覚を養える様々な「場」が壊されてしまった気がします。

自殺、虐待、無縁死、引きこもりなど、近年日本社会で噴出している問題は、

このことと無関係だとは到底思えません。

経済性、合理性に偏り過ぎた価値観に対して、

健全な疑いの目を向ける姿勢をもつこと。

そして今一度「居場所」を取り戻すためにも日本の伝統精神に学び、

蓄積された英知に学び、守るべき軸を見直すこと。

両者を矛盾なく持ち続けて改革してきた西郷隆盛の生き方が

今こそ必要なのです。

 

茶教勉強会は、「知行合一」をモットーに、

知識を得るだけでなく実践につなげていき、

人格として身につけることを目的としています。

学びを深め、学んだことを実践することで美しさは培われます。

そうして得られた美しさは自身の幸せ、

ひいてはみんなの幸せにつながると確信しています。

そんな美しい人を目指してテーブルスタイル茶道では心のあり方を学びながら、

お互いを高め合う活動を行っています。ぜひ茶教勉強会にご参加ください。

皆さんと一緒に豊かな生き方を追求できたらと思っています。

 

月に一回、椿の会本部(名鉄鳴海駅 徒歩5分)にて開催しております。

ご新規様は1,000円にてご参加いただけます(zoomでのご参加も可能です)。

お申込みお待ちしております。

 

椿の会テーブルスタイル茶道 副代表 久野 麻理

体験のお問い合わせ