ニュース HOME > ニュース > 戦争は人の心の中で生まれる~茶教勉強会~ 2024/8/28 戦争は人の心の中で生まれる~茶教勉強会~ ~人間の“不愉快な本性”と向き合う~ ―人は見たいものを見て、信じたいものを信じる―餓死した人がいるのをニュースを見て知っていても、そんなに貧しい人がいるとかそんなに困った人がいるとか、表を歩いていると見えていない。ゴミだってそんなに落ちてないけれど、その裏にゴミを清掃する人たちがいることも見えていない。表につらいことや醜いことが出てこない社会。だから私たちは見えている“キレイな世界”が真実だと思っている、いや思い込んでいるのです。本当の真実があまりにも残酷で、ものすごく不愉快なものだから、生き抜くために、人間は自分に都合の良いものだけが見えるようにデザインされていると言えるかもしれません。 「人間は見たいものだけを見て、信じたいものだけを信じる」 そして戦争をなくせない原因に、こういった人間の本性が関わっていることを、私たちは不都合な真実だけに、あまり知らずにここまで来てしまったと思います。人間は自分が絶対的な「正」だという信念を持つと、自分以外の考えをする人たちは絶対的な「悪」となってしまいがち。自分たちの正しさを守ることは、自尊心を守ること。だから少しでも邪魔されそうになると、死に物狂いで対抗しようと自分を正当化する理屈を思いつくようになる。つまりは日常の些細な問題から国同士の争いにいたるまで、その悲劇の背景には人間の本性(心)が横たわっているといえるのです。 生き物にはもともと、自分の利益に向けて行動するという「利己的」な性質があります。だから利己的な本性をなくすことはできないという、人間はすごくやっかいな存在。じゃあ争いをなくすことは無理なのかと言えば、いたずらに悲観することはないとも考えます。一人でも多くの人がこの人間の本性に気づき、不愉快な真実と向き合うことで、自分の言動に多少の注意を払うようになれば、もう少し生きやすい社会になるのではないか、そう思っています。 戦争は人の心の中で生れるものであるから人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。 ―正義は最大の“娯楽”― 【人間の本性①~劣った者は“報酬”、優れた者は“損失”】 私たちは赤の他人であっても、有名人のスキャンダルになぜか私たちは腹が立ったり、批判したりしたくなります。実はそこには無意識に人間の本性が働いているのです。 「劣った者は“報酬”、優れた者は“損失”」 人間にとって自分より優れた人は損失なのだから、その不快感から逃れるために、自分より優れた人を蹴落とそうとする。そこに正義を紛れ込ませると自分の行為を正当化できる。罵言雑言を浴びるのはルールを破った自業自得で、自分は社会のために「正義の鉄槌」を下しているのだと。これがネット「炎上」の構図なのです。「私はそんな卑しいことはしない」という人もいるかもしれません。でも私自身は認めたくないけれど、そう言い切れない自分がいるのも確かなのです。 【人間の本性②~世界は公正でなければならない】 人は「公正でなければならない」と考えるよう進化してきた一方で、世の中は不公正だらけが現実。不公正の状態は人間にとって不快だから、この現状を解消すべく行われて、しばしば問題になっているのが「キャンセルカルチャー」です。過去の不適切な行為がネットで炎上し、公的な地位からのキャンセル(辞任)を求められるというもの。 現代では、人種や民族、性別、国籍、身分、性的指向など自分では変えられない属性による差別はどんな理由があっても許されなくなりました。これがポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)で、それ自体は疑いもなく「良いこと」でしょう。 ただ一方でこの「絶対的な正義」の基準を決めたことで、有名人などの過去を徹底的に調べ上げ、正義に反する言動をした人をつるし上げる運動が起きるようになったのです。誰もが「自分らしく」生きられるようにするための正義。それが絶対化して強い光を発するとき、同時にその影も濃くなっているということに、私たちは気づいていく必要があると思います。 公正でなければという信念は様々な社会問題を引き起こすけれど、だからと言ってそんな信念は不要だというわけにはいきません。みんなが「公正な世の中であってほしい」と願っているからこそ、私たちの社会は何とか維持できているのでしょうから。 茶教勉強会は、「知行合一」をモットーに、知識を得るだけでなく実践につなげていき、人格として身につけることを目的としています。学びを深め、学んだことを実践することで美しさは培われます。そうして得られた美しさは自身の幸せ、ひいてはみんなの幸せにつながると確信しています。そんな美しい人を目指してテーブルスタイル茶道では心のあり方を学びながら、お互いを高め合う活動を行っています。ぜひ茶教勉強会にご参加ください。皆さんと一緒に豊かな生き方を追求できたらと思っています。 月に一回、椿の会本部(名鉄鳴海駅 徒歩5分)にて開催しております。ご新規様は1,000円にてご参加いただけます(zoomでのご参加も可能です)。お申込みお待ちしております。 椿の会テーブルスタイル茶道 副代表 久野 麻理
~人間の“不愉快な本性”と向き合う~
―人は見たいものを見て、信じたいものを信じる―
餓死した人がいるのをニュースを見て知っていても、
そんなに貧しい人がいるとかそんなに困った人がいるとか、
表を歩いていると見えていない。
ゴミだってそんなに落ちてないけれど、
その裏にゴミを清掃する人たちがいることも見えていない。
表につらいことや醜いことが出てこない社会。
だから私たちは見えている“キレイな世界”が真実だと思っている、
いや思い込んでいるのです。
本当の真実があまりにも残酷で、ものすごく不愉快なものだから、
生き抜くために、人間は自分に都合の良いものだけが見えるように
デザインされていると言えるかもしれません。
「人間は見たいものだけを見て、信じたいものだけを信じる」
そして戦争をなくせない原因に、こういった人間の本性が関わっていることを、
私たちは不都合な真実だけに、あまり知らずにここまで
来てしまったと思います。
人間は自分が絶対的な「正」だという信念を持つと、
自分以外の考えをする人たちは絶対的な「悪」となってしまいがち。
自分たちの正しさを守ることは、自尊心を守ること。
だから少しでも邪魔されそうになると、
死に物狂いで対抗しようと自分を正当化する理屈を思いつくようになる。
つまりは日常の些細な問題から国同士の争いにいたるまで、
その悲劇の背景には人間の本性(心)が横たわっているといえるのです。
生き物にはもともと、自分の利益に向けて行動するという
「利己的」な性質があります。
だから利己的な本性をなくすことはできないという、
人間はすごくやっかいな存在。
じゃあ争いをなくすことは無理なのかと言えば、
いたずらに悲観することはないとも考えます。
一人でも多くの人がこの人間の本性に気づき、不愉快な真実と向き合うことで、
自分の言動に多少の注意を払うようになれば、
もう少し生きやすい社会になるのではないか、そう思っています。
戦争は人の心の中で生れるものであるから
人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。
―正義は最大の“娯楽”―
【人間の本性①~劣った者は“報酬”、優れた者は“損失”】
私たちは赤の他人であっても、有名人のスキャンダルに
なぜか私たちは腹が立ったり、批判したりしたくなります。
実はそこには無意識に人間の本性が働いているのです。
「劣った者は“報酬”、優れた者は“損失”」
人間にとって自分より優れた人は損失なのだから、
その不快感から逃れるために、自分より優れた人を蹴落とそうとする。
そこに正義を紛れ込ませると自分の行為を正当化できる。
罵言雑言を浴びるのはルールを破った自業自得で、
自分は社会のために「正義の鉄槌」を下しているのだと。
これがネット「炎上」の構図なのです。
「私はそんな卑しいことはしない」という人もいるかもしれません。
でも私自身は認めたくないけれど、
そう言い切れない自分がいるのも確かなのです。
【人間の本性②~世界は公正でなければならない】
人は「公正でなければならない」と考えるよう進化してきた一方で、
世の中は不公正だらけが現実。不公正の状態は人間にとって不快だから、
この現状を解消すべく行われて、しばしば問題になっているのが
「キャンセルカルチャー」です。
過去の不適切な行為がネットで炎上し、
公的な地位からのキャンセル(辞任)を求められるというもの。
現代では、人種や民族、性別、国籍、身分、性的指向など
自分では変えられない属性による差別はどんな理由があっても
許されなくなりました。これがポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)で、
それ自体は疑いもなく「良いこと」でしょう。
ただ一方でこの「絶対的な正義」の基準を決めたことで、有
名人などの過去を徹底的に調べ上げ、正義に反する言動をした人を
つるし上げる運動が起きるようになったのです。
誰もが「自分らしく」生きられるようにするための正義。
それが絶対化して強い光を発するとき、同時にその影も
濃くなっているということに、私たちは気づいていく必要があると思います。
公正でなければという信念は様々な社会問題を引き起こすけれど、
だからと言ってそんな信念は不要だというわけにはいきません。
みんなが「公正な世の中であってほしい」と願っているからこそ、
私たちの社会は何とか維持できているのでしょうから。
茶教勉強会は、「知行合一」をモットーに、知識を得るだけでなく
実践につなげていき、人格として身につけることを目的としています。
学びを深め、学んだことを実践することで美しさは培われます。
そうして得られた美しさは自身の幸せ、
ひいてはみんなの幸せにつながると確信しています。
そんな美しい人を目指してテーブルスタイル茶道では心のあり方を学びながら、
お互いを高め合う活動を行っています。ぜひ茶教勉強会にご参加ください。
皆さんと一緒に豊かな生き方を追求できたらと思っています。
月に一回、椿の会本部(名鉄鳴海駅 徒歩5分)にて開催しております。
ご新規様は1,000円にてご参加いただけます(zoomでのご参加も可能です)。
お申込みお待ちしております。
椿の会テーブルスタイル茶道 副代表 久野 麻理