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2024/10/6

「バイアス社会」を生き延びる~茶教勉強会~

「バイアス社会」を生き延びる

~逃れられないバイアスと「共存」する方法~

 

―私は何色のメガネをかけているのだろうか―

バイアスとは、無意識のうちに人が抱いている思い込みのこと。

私たちは普段、バイアスという自分色のメガネをかけているので、

物事がゆがんで偏って見えています。

でも無意識だからそのことになかなか気づけず、

それゆえ私たちが信じている「普通」や「正しさ」は

正確じゃないことが多いのです。

 

ところで、なぜバイアスがあるかと言えば、

私たち人間は時間をかけて正しい答えを出すよりも、

限られた情報や時間の中で、よりよい判断をすることの方が

求められているから。そうしないと人間は生き延びられなかったし、

子孫を残せなかったことでしょう。

ただ一方でバイアスがあることで、

思い込みによる謝った判断をしやすくもなったのです。

 

まずはバイアスについて知ることだと思います。

自分の偏りを知れば、自分の振る舞いを制御する力を握ることができるし、

相手の偏りを知れば相手の振る舞いを理解して

いちいち反応することもなくなってくることでしょう。

 

 

【選択的注意】

私たちの意識は「気にかけている」ものに注意を向けて、それを見つけ、

それ以外のものはすぐ目の前にあっても見過ごしてしまうことがあります。

このような働きを「選択的注意」といいます。

そして優位にある集団に属している人より、

優位じゃない集団に属している人の方が、この選択的注意が非常に強まります。

 

例えば女性が男性に「夫婦は子どものためにも同じ名字がいいね」と言われると

「女性が名字を変えるのが当たり前」と言われてるようでざわつく。

また不登校の親がママ友から「いつか学校行けるといいね」と言われると、

「行かない今の状態がダメ」と言われてるようで傷つく。

 

優位じゃない集団に属している人は、

気にしていることだからすばやく敏感に感じ取る一方で、

優位集団に属している人は、自分事ではないため傷つけるような

言動をしていることに気づかないのです。

気づかないところで誰かを傷つけることのないように

真実を見失わないように、普段から「このことには別の側面もあるはず」と

多面的に見る目を持ちたいものです。

 

【確証バイアス】

自分の先入観や意見を肯定するため、それを支持する情報のみを集め

反証する情報は無視または排除する性質を「確証バイアス」と言います。

確証バイアスには「無意識に自分を正当化する」というのがあって、

目の前の現実をそのまま認めると自分の心や精神が保てないから、

防衛機制で自分を正当化してしまうことを言います。

 

自分ではどうしようもないことを諦めるときなんかに

自分を正当化することがあってもいいと思っています。

ただそのときは「いま自分は、自分を正当化しようとしているな」

と自覚することが大事かなと。そうすれば不用意に人を傷つけたり

向き合うことに蓋をしてしまったりすることも少なくなると思います。

 

【集団バイアス】

人は弱さを補うために、集団で生きる道を選びました。

そして私たちの脳は共同体を無視して利己的に振る舞う行為を

汚らわしいと感じる一方で、共同体のために個人が自分の時間や

労力を使って尽くす行為を見ると、美しいと感じるようになったのです。

 

ここから内集団バイアスといって、他の集団と比較して

自集団の能力を高く評価したり、ひいきしたりする心理が生まれます。

これは集団の結束力を高めるという良い面がある一方で

他の集団の能力を低く評価したり、敵対視したりして

「あの人たち」とひとくくりにして

悪いレッテルを貼ってしまうという面もあるのです。

 

それにまた、身内びいきの一方で身内たたきという

「黒い羊効果」というのがおこります。ひいきしていたはずの内集団なのに

自分たちと同等でないと見るや否や叩いて排除してしまうのです。

身内に甘いはずだった内集団バイアスが、

身内にこそ厳しいものになってしまう。

「私たち一緒」だからこそ同じでないと許せなくて、

その異質なものを排除し、私たちの「同質」を保とうとするのでしょう。

 

集団バイアスは集団の一体感につながる一方で、

「村八分」や「自粛警察」などに見られる「同調圧力」として働き

個の意志が奪われる可能性もあることを忘れてはいけないと思います。

 

―バイアスとつき合う方法―

 

【1、バイアスは人間誰しも持っていると認識する】

相手のことを感情的に「間違ってる」「ダメ」「なんで⁉」と

否定的に捉えるのではなく、「私たちは誰しもバイアスがあり、

逃れることはできない」ことをまず理解することだと思います。

そして相手にあるバイアスは自分にもあると――。

見えないバイアスに気づくためには、自分が気持ちいいと

感じるものだけでなく、居心地の悪さを感じるものにも目を向けて、

“咀嚼”する練習をしておくのも良いかと思います。

“両面を見る”習慣がバイアスの存在を浮き彫りにし、

物事の見方、自分自身の考え方に変化をもたらしてくれることでしょう。

 

【2、疑う目をもつ】

私たちは疑って時間をかけながら正しい結論を出すより、

信じてすばやく間違った結論でも飛びつくときの方が、

よい考えに思えるものなのです。

そんな人間の性質を思えば、真実に近づくためにも自分の中に

「疑う目」を育てていく必要があると思います。

疑う目の一つとして、自分の考えは「真実」ではなく

一つの「解釈」にすぎないと思うことがあります。

「もしかしたら…」とあらゆる可能性を検討することで、

より広い視野で相手を判断できるようになると思います。

疑う目は確信の中で見落としていたものに気づきやすくなるのです。

 

 

茶教勉強会は、「知行合一」をモットーに、

知識を得るだけでなく実践につなげていき、

人格として身につけることを目的としています。

学びを深め、学んだことを実践することで美しさは培われます。

そうして得られた美しさは自身の幸せ、

ひいてはみんなの幸せにつながると確信しています。

そんな美しい人を目指してテーブルスタイル茶道では心のあり方を学びながら、

お互いを高め合う活動を行っています。ぜひ茶教勉強会にご参加ください。

皆さんと一緒に豊かな生き方を追求できたらと思っています。

 

月に一回、椿の会本部(名鉄鳴海駅 徒歩5分)にて開催しております。

ご新規様は1,000円にてご参加いただけます(zoomでのご参加も可能です)。

お申込みお待ちしております。

 

椿の会テーブルスタイル茶道 副代表 久野 麻理

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