テーブル茶道 名古屋

お問い合わせ電話番号090-1150-1110
メニュー

ニュース

2023/4/9

「おせっかい」のススメ~茶教勉強会~

―おせっかいは世界を救うー

 

“おせっかいさん”がいつからかあまり見られなくなりました。

「おせっかい」を辞書で調べると、

「出しゃばって余計な世話をやくこと」とあります。

おせっかいというとネガティブなイメージを持っている人も少なくありません。

でもおせっかいはそんなに良くないことなのでしょうか。

今の時代、「こんなことは迷惑じゃないか」と

人との距離を必要以上に話したり、

人を傷つけないようにと、

誰とも深くかかわらないようにしたりする人が増えている気がします。

「多様性を尊重した社会」は「人それぞれ」という言葉を浸透させました。

その言葉は遠慮深いとかむやみに相手に立ち入らないといった日本人の国民性も

あり、「相手を傷つけないように、そして自分も傷つかないように配慮して言動

をグイと呑み込むこと」といった誤った解釈をされているように思います。

それに呼応するようにおせっかいさんが消えていったように思うのです。

そして結局は人との距離を感じて孤独を抱える人が増え、

息苦しさとさみしさを覚えているだけなのではないかと思います。

マザーテレサがノーベル平和賞を受賞したときの言葉です。

 


天然痘も癌も脳卒中も、決して怖い病気ではありません。

本当に怖い病気とは、あなたのような人間がこの世にいてもいなくてもいいのですよと

いわれたときの孤独です。この病気ほど怖いものはないのです。

この病気を治す病院も薬も今はないのです。

この病気は、外の優しい心でしか癒すことができないのです。


 

そんな孤独を癒してくれるのがちょっとした「おせっかい」だと考えます。

学校や職場、それから地域といった社会の中で

一歩踏み込んだ親切をしていくことだと思います。

ちょっとした勇気と愛が世界を救うのです。

―おせっかいが生む「温かさ」の力ー

 

おせっかいとは「純粋な思いやり」「無条件の思いやり」とも

いえるかもしれません。

つまりは、「見返りを求めない」「上手くいかなくても悩まない」

「ただただ相手のことを純粋に思った」親切な行動ということ。

英語では「random act of kindness」、相手や場所は関係なく

ランダムに行う親切な行動といい、

ポジティブなムーブメントとして徐々に浸透しつつあると言います。

おせっかいが生む温かさ。

その温かさを受け取ることで

次は自分ができることを誰かに渡していこうとなるのではないでしょうか。

おせっかいはタイミングが微妙だったり、

相手の好みを知らずに取った行動だったりするかもしれません。

それでも相手の好意を感じて嬉しくなるものではないでしょうか。

こういうやり取りを他の誰かがやっている情景を見るだけでも、

なんとなく心が温かくなる気がします。

一見無駄にも見えるようなおせっかいが

「温かさ」の風に乗って別のおせっかいを生み、

善意より早く伝わる悪意を凌駕してくれるパワーとなり、

優しい世界を広げてくれるように思います。

 

「小さな親切、大きなお世話」と言いますが、本当にそうでしょうか。

まずは相手を傷つけるからと距離をとりそっとしておくのではなく、

相手が喜ばないかもしれないけれど、一歩グイっと踏み込んでみる。

土足で踏み込むことも案外悪くないかもしれない。

そのさじ加減は失敗経験がきっと教えてくれるはずです。

ちょっとした勇気と親切が誰かの人生を救うことだってある。

「小さなお世話、大きな親切」なのです。

 

―おせっかいは“自利利他円満”ー

 

仏教に、自利利他円満という言葉があります

自利とは自らの悟りのために修行し努力すること、

利他とは他の人の救済のために尽くすこと。

この二つは別々のものではなく、

共に完全に行うことが仏教の理想という考え方です。

もっと簡単に言えば、相手の幸せや安心のために日課に努めることが、

結局自らの利益にかなうということでもあるのです。

内田樹さんによれば

「自己利益を追求しても、人は限界を超えられない」と言います。

私たちは自分が満足できてこそはじめて他人にも優しくなれると思いますが、

他人を大切にできる気持ちが、自分のポテンシャルを発揮させることができ、

自分に満足心を取り戻していけるのです。

おせっかいはまさに自利利他円満であるといえるでしょう。

 

愛あるおせっかいは、その温かさを受け取った人がおせっかいをしていくという

「おせっかいの伝染」がおこるようです。

そして離れていても昔から続く縁、切れたと思っていてもまたつながる縁などを

思いがけないかたちで呼び込むことにもなり、

縁がどんどん広がって大きな助け合いの力になる。

そのことが自分も含めた多くの孤独な心を救っていくのだと思います。

また家族とか恋人とか友達とか、名前が付きがちな関係性だけれど、

まだ名前のつかない関係性でつながりあって生きていく世界が、

おせっかいによってできあがっていくのではと思っています。

そんな希望を持ちながら、おせっかいの一歩を踏み出していきたい、

そう思います。

茶教勉強会は、「知行合一」をモットーに、

知識を得るだけでなく実践につなげていき、

人格として身につけることを目的としています。

学びを深め、学んだことを実践することで美しさは培われます。

そうして得られた美しさは自身の幸せ、

ひいてはみんなの幸せにつながると確信しています。

そんな美しい人を目指してテーブルスタイル茶道では心のあり方を学びながら、

お互いを高め合う活動を行っています。ぜひ茶教勉強会にご参加ください。

皆さんと一緒に豊かな生き方を追求できたらと思っています。

 

月に一回、椿の会本部(名鉄鳴海駅 徒歩5分)にて開催しております。

ご新規様は1,000円にてご参加いただけます(zoomでのご参加も可能です)。

お申込みお待ちしております。

 

椿の会テーブルスタイル茶道 副代表 久野 麻理

体験のお問い合わせ