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2022/5/3

平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法 後編~茶教勉強会~

D・カーネギー著『道は開ける』Part4(4~7)

平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法

 

戦争は始めるのは簡単だが、終わるのは極めて難しい—。

ロシアとウクライナの戦争が始まり2カ月くらい経ちますが、

終わりが見えません。

人類はこれまでに数え切れないほどの戦争を繰り返してきました。

そして今も絶えることなく戦争が起こっています。

平和な世界を望みつつも、その願いを叶えることなく、

いつの時代も争っているのです。

なぜ、誰もが望んでいるはずの平和な世界は

実現することが困難なのでしょうか?

 

道徳や理性によって平和を達成しよう!とか、

「平和!平和!」と叫んでいるだけでは

平和の実現は困難だということを歴史が証明しています。

戦争は人間的な営みなのです。

だから究極的には、人間のありようについて考えることが

戦争を理解することだと考えています。

それは、人間の利己的で、未成熟といった

弱くて不完全な存在であると知ること。

その上で理性を用いて思考し、実践につなげていくことこそ

平和実現への取り組みであると言えるでしょう。

そしてこのことは、茶の道の精神修養が

平和の魂を実らせることと同じだと考えています。

一人ひとりが精神を鍛練し、実践に生かしていくことは、一隅を照らします。

一人一人が豊かな人間になることこそ、

平和で明るい世の中を築いていくことになるのです。

『道は開ける』の平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法は、

まさに豊かな人生を送るための対処法と言えるでしょう。

その中でもpart4、5で取り扱う「足るを知る」ということは、

老子や孔子、仏陀の教えにもあり、今でも大切な考え方として残っています。

しかしながら「ないものねだり」という言葉があるように、

人は“自分にないもの”を求めすぎる性質があり、

「もう足りている」という観念を実感することはめったにありません。

このような性質を指して老子は、

「自分の内側に目を向けず、自分の外にばかり目を向けている」

と表現しています。

常に自分の外側ばかりを見て、自分にないものを求める。

隣の芝生は青く見え、持っていないものを欲しがり、

自分でない誰かに憧れてしまうのです。

その時に感じるのが欠乏感。

日常で感じるほとんどの苦しみはこの「足りないもの」に目を向けた時に感じる

欠乏感が原因なのではないかと思います。

そう考えると「足るを知る」ということ―自分の内側、

つまり今の自分や今持っているものに目を向けること―で

この欠乏感と決別でき、欲望から解放されるのではないでしょうか。

 

「足るを知る」というと、必要以上に欲しがるな、

今持っているもので辛抱せよ、身の程を知れ、

といった消極的な受け止め方があります。

しかし「足るを知る」は、不完全な自己を受け入れ、

自己の内面を深く追究して、自分は何を持っているのかを

知ることだと考えます。

自分が持っているリソースにどれだけ素晴らしいものが備わっているのかを

理解することができれば、より豊かに生きることができるということです。

だから、「これで良い」のではなく、「これが」良いと思える生き方であり、

決して後ろ向きの思想ではなく、

むしろポジティブなものであると言えるでしょう。

そう考えると、「足りてない」という欠乏感は、

自分の内面と向き合い切れていない表れなのかもしれません。

「自分は今のままで既に価値がある」ということを知り、

モノの豊かさや、対人関係にあるプライドや見栄を捨て、

自分という存在に自分が魅力を見出す。

そうすることで自分の中から豊かさが芽生えるのではないかと思います。

この視点に立つと、今「ないもの」「不足しているもの」に

注目するのではなく、「持っているもの」「すでにあるもの」に目を向け、

それをどう活かすかという発想になります。

例えば時間。人はないものを求めてしまう性質なので

「時間」はどんな状況になっても足りないと考えてしまうもの。

しかし「今ある時間」をどう使うかという視点で考えた方が、

可能性が広がり、生産性も高いように思うのです。

 

またこの視点に立つと、「できないこと」より「できること」に

目を向けることができ、前向きになり、可能性が広がっていく感じがします。

「できること」「あること」に目を向けると、

「自分の強み」「私だからできること」が見えてくる気がするのです。

そして足るを知るという思考は、今持っているもの、

あるものにフォーカスするため、「今あるもの」への感謝の心が強くなり、

「ありがたい」「感謝している」と思う気持ちへとつながっていきます。

 

人間は自己利益を追求する性質があり、

放っておけば戦争は自然に始まってしまう。

また人間はネガティブなことを考えることの方が多く、

あるものよりないものばかり見つめてしまうため欠乏感に苛まれてしまう。

だからこそ、人間はその人間の性質に逆らうかたちで

理性を用いて行動していかなければ、

平和や幸福は実現しないということなのです。

私自身も足りないものばかり求めて、

今が幸せなことに気付けないことが多いと感じます。

日々の生活の中で「足るを知る」を意識しながら、

自分は満ち足りた生活を送っていることと

それに感謝する気持ちを忘れないようにしたい、そう思っています。

 

『道は開ける』の中で私たちの欠点は

「無知ではなく無為」だとカーネギー氏は言います。

茶教勉強会は、「知行合一」をモットーに、

知識を得るだけでなく実践につなげていき、

人格として身につけることを目的としています。

学びを深め、学んだことを実践することで美しさは培われます。

そうして得られた美しさは自身の幸せ、

ひいてはみんなの幸せにつながると確信しています。

そんな美しい人を目指してテーブルスタイル茶道では心のあり方を学びながら、

お互いを高め合う活動を行っています。ぜひ茶教勉強会にご参加ください。

皆さんと一緒に豊かな生き方を追求できたらと思っています。

 

月に一回、椿の会本部(名鉄鳴海駅 徒歩5分)にて開催しております。

ご新規様は1,000円にてご参加いただけます(zoomでのご参加も可能です)。

お申込みお待ちしております。

 

椿の会テーブルスタイル茶道 副代表 久野 麻理

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