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2022/5/31

批判を気にしない方法~茶教勉強会~

D・カーネギー著『道は開ける』Part6

批判を気にしない方法

 

今のこの社会では「弱いこと」は悪である、とみなされがちです。

競争に勝て、成長しろ、人に頼るな、助けを求めるな、自己責任だ、

といったように人を急ぎたてる社会の風潮があるように思います。

しかしながら、人は誰でも弱さを抱えていて不完全な生き物です。

それゆえに、人は弱さを覆い隠そうと、人から攻撃されない、否定されない、

人を失望させないために、「完璧な自分」を演出しようとします。

そして重たい鎧を身にまとい、

弱みが目につかないよう重たい盾の後ろで身を潜めながら歩き続けるうちに、

人はヘトヘトに疲れてしまうのです。

弱さを認められない、弱さを見せられないことが

「生きづらさ」を生み出していると言えるでしょう。

 

弱さと言えば思い出されるのが、『ドラえもん』の主人公、のび太。

弱虫で、怠け者で、すぐに目の前の困難から逃げたり、

他人に頼ったりしてしまうのび太は弱さのかたまりのような人間に見えます。

それなのに、のび太は人間にとって一番大事なことを見失わずにいられます。

大事なこととは

「人の幸せが自分の喜びとなり、人の不幸が自分の悲しみとなる」

ということ。

でも弱さのかたまりのようなのび太が

どうしてそんな人間でいられるのでしょうか。

それはのび太が絶望的な無力さの中でなお、

それでも自分の弱さから目を背けず、しっかりと向き合い、

よりよくあろうとし続けているからだと思います。

自分の弱さとともに前を向いて生きていこうとする。

それがのび太の生き方であり、

人間にとって大事なものを失わないための知恵だと

言えるのではないでしょうか。

 

弱さを生きる勇気に変容させるカギ、それは

「弱さに向き合い、弱さを知ること」。

自分の弱さを知れば、

その弱さを補う方法を考えることができるようになります。

自分の弱さを知れば、

その弱さを何とか生かそうと、

弱さがもたらす矛盾や葛藤とともに人格を成長させていくことができます。

自分の弱さを知ることが、強さの始まりなのでしょう。

弱さに見えることが実は強さであり、

弱さこそが本当の強さのもとであるということなのです。

 

また自分の弱さを自覚すると、人の弱さも理解できるようになります。

そして意外かもしれませんが、

弱さはむしろその人の大きな魅力になっていると言えます。

 

弱さは悪ではない。

弱さと向き合い、弱さを見せながら弱さとともに生きれば良い。

そんな価値観が広がっていけば、

もう少し生きやすい社会になるのではと思います。

そして弱さを見せ合える、補い合える社会が実現すれば、

それが一つの「平和」の形だといえるのではないか、私はそう考えるのです。

そして自分の弱さと向き合い、弱さを受け入れること、

これが今回のテーマでもある「批判を気にしない心」をつくる

土台になると思っています。

今や批判的な意見と付き合うことは避けて通れません。

いつどんな状況でも批判コメントと適切に対峙できる

自分なりの対処法を構築しておくことが必要だと思います。

私たちは批判を聞いたり目にしたりすると、

感情に足元をすくわれ、瞬間的に避けてしまいがちですが、

ひとことで批判的な意見と言っても、

誹謗中傷のような根拠のない悪口といった不当な批判もあれば、

建設的な批判もあるのです。

まずは批判を受け止めて内容を冷静に分析すること。

それが同意できないような不当な批判であればスルーすれば良いですし、

役に立つ批判であれば自己反省の材料として取り入れたら良いと考えます。

 

カーネギー氏は、不当な批判を気にしない方法として、

次のようなことを挙げています。


・批判されることは注目されていると思おう

・「自分が思うより、周囲は自分に興味がない」という現実を受け止める

・他人からの批判を免れることは不可能だから、自分の信じることをやりきる


批判のような他人の言動は自分の力ではコントロールできないので、

そこにエネルギーを使うことは、不安や怒りなどを生み出し、

自身の健康を害すことにもなりかねません。

だからこそ批判を気にしない思考パターンを身につけることが

大事になるのです。

一方、建設的な批判は自分を見つめなおすきっかけとも

人生の教訓ともなり得るとカーネギー氏は言います。

批判を受け止め、その批判が建設的なものであれば、

自己の振り返りの材料として役立てていくことが、

人生をより良くするための知恵だと言えるでしょう。

 

最後に作家フランツ・カフカの言葉を紹介します。


将来に向かって歩くことは、ぼくにはできません。 

将来に向かってつまずくこと、これはできます。

いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。


本当に心がつらいとき、まず心に染み入るのは

ポジティブな言葉よりもその気持ちに寄り添ってくれる言葉のように思います。

それは自分の弱さを代弁してくれているようだから。

自分の弱さに気づかせてくれるその言葉によって、

自身の弱さと向き合い、弱さを認められるようになる。

そのことは今すぐには無理でも、

後に立ち上がって前を向く原動力になるのです。

人を前に進めるのは、ポジティブな力だけとは限りません。

弱さと向き合い、受け入れることが、

心の強さを引き出せることをカフカは教えてくれています。

『道は開ける』の中で私たちの欠点は

「無知ではなく無為」だとカーネギー氏は言います。

茶教勉強会は、「知行合一」をモットーに、

知識を得るだけでなく実践につなげていき、

人格として身につけることを目的としています。

学びを深め、学んだことを実践することで美しさは培われます。

そうして得られた美しさは自身の幸せ、

ひいてはみんなの幸せにつながると確信しています。

そんな美しい人を目指してテーブルスタイル茶道では心のあり方を学びながら、

お互いを高め合う活動を行っています。ぜひ茶教勉強会にご参加ください。

皆さんと一緒に豊かな生き方を追求できたらと思っています。

 

月に一回、椿の会本部(名鉄鳴海駅 徒歩5分)にて開催しております。

ご新規様は1,000円にてご参加いただけます(zoomでのご参加も可能です)。

お申込みお待ちしております。

 

椿の会テーブルスタイル茶道 副代表 久野 麻理

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